LEO今井2020.2.26ワンマンライブ「TOKYO LIGHTS 2020」に向けたQ&A
――「LEO今井」と「LEO IMAI」の表記の違いを説明してください。
ライブにおいて、漢字の「今井」の時(LEO今井)が、一人編成で、全部ローマ字の時(LEO IMAI)がバンド編成です。人名がバンド名っていうのはあんまりないけれども、マリリン・マンソンとかヴァン・ヘイレンみたいな感じです。
――「LEO今井」としてライブを初めて行ったのはいつ、どういう編成でしたか。またそれは思う通りに実現できましたか。
バンド編成ではなく、私がボーカルと鍵盤で、『City Folk』(2006年リリース)でドラムを叩いてくれた楠瀬拓哉君の二人編成で2006年に何度かライブをやりました。本当に未経験すぎて何をやれば良いのかわからなかったですね。そもそもプレイが好きで音楽を始めたわけではなかった。でも自分が作った曲をライブでやらないのもちょっとおかしいんじゃないかっていう、だいぶモヤっとしたところから始まったわけです。だから思い通りに表現できていなかったことには間違いないですね。
――なぜ、そういう状態の中でライブをやり続けたのでしょうか。
何かところどころ、歌がキマッた、うまく歌えた、曲がキマッたとか、うっすら観客も喜んでくれたんじゃないかなっていう瞬間があったので、そういう瞬間をたまに察知できた気がしてたので、稀な瞬間にしがみつきながら、何はともあれ続けようと思いました。
――当時、ライブ(を行うこと)は好きでしたか?
今もある程度そうなんですけども、基本的に始まる直前までは嫌で、すごく嫌いで、ライブの最中はとにかく一生懸命で、ライブの直後はすごく好き。
――現在のバンドLEO IMAIでのライブについて教えて下さい。
もうちょっとリラックスして、ライブというものを楽しめるようになったんじゃないかなと思います。
白根(賢一)さんは、『Laser Rain』(2009年リリース)の時にサポートドラムをやってくれてましたが、そこに昔からの知り合いであるシゲクニと(岡村)夏彦が加わって、一番最初にリハーサルをした時に何かちょっと特別な感触がありましたね。あ、これはすごい自然にこの4人が溶け込んでるなっていう風に思いました。夏彦とそういう話をリハの直後にしたのをすごくよく覚えています。
――2011年ごろから現在のメンバーに会い、ライブ活動を行うようになってから、ライブが増えていきました。ライブに対しての自分の考え方は変化しましたか?
明らかにライブも進化していると思うし、まだ伸び代もあると思うから、それは楽しみな部分ですね。ライブに対する考え方が変わったというよりかは、努力の量と経験値と体力が増えてきたんじゃないかなと思います。当たり前だけど、ライブの筋肉は鍛えれば鍛えるほど強くなるし、やらないとどんどん衰えてくる。
――また2010年KIMONOS(向井秀徳・LEO今井)として、また2014年よりMETAFIVE(高橋幸宏+
小山田圭吾+砂原良徳+TOWA TEI+ゴンドウトモヒコ+LEO今井)としての活動も増えました。これらの活動は、あなたに影響を与えていますか。
特にKIMONOSを作ってアルバム(『KIMONOS』2010年リリース)を出したことは、自分にとってはすごい大きなターニングポイントでしたね。やっぱり自分より全然経験値の高い人たちとやると、まあ少しは自分もうまくなっていきますからね(笑)。あと、KIMONOSとMETAFIVEでアルバムを作ってライブ活動することによって、”KIMONOSの一員LEO今井”にも無くて、”METAFIVEの一員LEO今井”にも無くて、”LEO IMAI”にしか出せないサウンドっていうのが、よりはっきりわかってきた気がします。(それは)グランジとメタルの土台から来ている要素なんですけどね。
――2013年の『Made From Nothing』は現在のバンドメンバーで制作しています。この制作時の心境を教えてください。どのようなアルバムを作りたいと思ったか、また、タイトルに込められた思いなども教えて下さい。
最初の(アルバム)三枚は満足していない部分も色々あって、今度こそ、50%でも無く、80%でも無く、今度こそ100%自分が納得できるものを絶対作ってやろうという必死な気持ちで作りました。一切他人の意見とか評価を気にせず、とにかく100%のものを絶対作ってやるぞみたいな気持ち。結構どん底な空白状態の中で力ずくでゼロから作品を作り上げてやろうっていう、無の状態から歌を引っ張り出してやろうっていう。まあ、歌はそもそもそういうものなんじゃないかなって、そういうことを考えながら、このアルバムタイトルをつけました。
――2019年のアルバム『VLP』はバンドでスタジオレコーディングした作品です。ヘヴィーなグランジやメタルを感じさせるバンドサウンドに昇華されました。制作時の感想や思いを教えてください。
制作のプロセスは、『Made From Nothing』とすごい似ていましたね。4人のバンド経験も背景にあったから、『Made From Nothing』に比べてもっと生々しくてヘヴィーな音を録ることができたんじゃないかなと思います。シンセのバックトラックがかなり減って、ライブを意識しながら作りましたね。
――昨年5組のアーティストと5カ所で自主企画ツーマン公演「大都会ツアー」を各地で行いました。それぞれで印象に残った思い出・エピソードを簡単に教えてください。
・8/30 大阪 前野健太
マエケン、アンコール(「ファックミー」共演)ですごい暴れる。打ち上げでもっと暴れる。
・8/31 名古屋 呂布カルマ
呂布カルマ、かっこいい。お客さんがかなり少なかった、割にはかなり盛り上がった。
・9/24 東京 人間椅子
人間椅子とやった時は、Black Sabbathの「Changes」っていう曲を、私はピアノの弾き語りで演ったんですけども、その時に何か、感極まってちょっと泣きそうになった、です(笑)。
・10/1 福岡 ZAZEN BOYS
ZAZEN BOYSと福岡でやった時は打ち上げで向井秀徳が珍しく早く打ち上げから抜けて、「サウナに行きたい」って、「あれ、どうしたのかな、今日は疲れてんのかなー」なんて話しして、3~4時間後ぐらいに(風呂上がりの向井秀徳に)、「ウエスト」で偶然遭遇しました。
・10/12 札幌 eastern youth
eastern youthと、なんか本当、ヒーローと一緒に(ツーマンライブを)出来た感じだったんですけど。…台風ハギビスですね。台風から逃げるように北海道に移動したんですが、吉野(寿)さんが勧めてくれていたラーメン屋「だるま軒」で偶然吉野さんに遭遇。
――また、その「大都会ツアー」のファイナル公演を昨年10/25に行いました。この日、最後に「TOKYO LIGHTS」を出演者全員で演奏しました。「TOKYO LIGHTS」を選曲した理由と何故そのアイディアを思いついたかを教えてください。
「Tokyo Lights」は自分の原点みたいな曲でもあるし、アンコールでもよく演る曲でもあって、KIMONOSで向井さんと再構築してアルバムにも入れましたし、要はその日のライブとツアー全体のグランドフィナーレ感を出すために全員に無理言って、適当に合わせてくださいっていう風にお願いしましたね。
最初、LEO IMAIバンドがいて、私は太鼓を叩きながら歌って、合唱団に向井秀徳、呂布カルマ、前野健太。松下敦さんがドラムで、ツインドラムになって、ZAZENの(吉兼)聡さんはギターで、ツインギターになって。ZAZENのベースのMIYAさんは多分、シャウトと踊りをやってたんじゃないですかね(笑)。
最初、向井さんがギター・ボーカルで参加すると考えていたんですけれども、ライブの前に向井さんから電話があって、「ギターはカシオマンに弾かせようぜ」っていう風に、打合せコール(笑)が来ましたね。私は「もちろん弾いてもらえるんであれば最高ですけど、負担がかかりすぎるんじゃないか」と言うと(向井さんが)「いや、それがいい。それがいい。」って言われて。だから結局聡さんも(ギターで)参加してくれて、だったらMIYAさんも、敦さんもツインドラムでって。最終的にかなりカオティックな感じになりましたけど。
でも、そもそも大勢の人で「Tokyo Lights」を演ろうっていうのは、Sepulturaが『Chaos A.D.』(1993年リリース)に「Kaiowas」っていうちょっと民族っぽいアコースティックな曲があるんですけど、ライブで演るときにバンドメンバー全員が太鼓に移って、太鼓ジャムを演るっていう場面が「Kaiowas」のライブバージョンにあるんですよ。最初そういうイメージがありましたね。あと、向井秀徳が(日比谷)野音でMATSURI SESSION(2017年5月16日に行われ、LEO今井はKIMONOSとLEO IMAIで出演)をやったときに出演者全員に「KIMOCHI」を歌わせるっていうアンコールがあったんで、それも頭の中にありましたね。だから元々のアイディアはSepulturaと向井秀徳から来ている感じです。
――昨年の「大都会ツアー」とカバーEP『6 Japanese Covers』で得たもの、気づいたことなどあれば教えてください。
そもそも全部原曲が素晴らしい曲だから、カバーするのであれば、自分のスタンプを押したい、マークをつけたいっていう感じなんですが、それをやっていくうちにLEO IMAIバンドの更なるヘヴィーさを確立できた気がしますね。
ツアーにおいては、それぞれ強者のライブを間近で見て、ライブだけでなくて、ステージ裏での様子を見ているとすごい刺激になりました。私はライブの時はすごい神経質になってしまうっていうか、すごい緊張してしまうから、あ、この人はこういうところはすごい力を入れてるけど、こういう場面ではすごい力を抜いているんだなとか、そういう力の入れどころの違い、ギャップを見てて、一番自分のためになった。あと、自分の喉が意外と強い、まだまだいけるってことも思いました(笑)。
――LEO今井は2009年6月にアルバム『Laser Rain』のレコ発ワンマン(LEO今井TOUR Synchronize 2009『L.R.』)を代官山UNITで行っています。その時の想いや、心境など教えてください。
当時のバンドメンバーのおかげでライブ自体は盛り上がったんじゃないかなと思いますが、個人的には色々精神的にきつかった時期ですかね。当時のマネジメントというか事務所と、とにかく考えが合わなくて、それが制作活動全体に悪影響を及ぼしているんじゃないかっていう風に思っていて、自分の音楽活動も早くもこれでお終いなんじゃないか、これはやめざるをえないんじゃないかなっていう風に焦り悩んでいた時期でしたね。
――LEO IMAIとしてのワンマンライブを約11年ぶりに同じ場所、代官山UNITで行います。どのような内容になりますか。意気込みを教えてください。
初期の曲をあまりやりたくないっていう気持ちがここ数年、ずっとあったんですけれども、今のバンドメンバー、今の状態で昔の曲をやったら、その曲に新たな命を吹き込んで、また自分の目に輝かしく見せられることが出来るんじゃないかなって最近ここにきて思うようになりましたね。今回のワンマンのセットリストは一番古いものから一番最近のものまでまんべんなく自分の曲をカバーするような内容になると思います。LEO今井の2006年から2019、2020年くらいまでの。
ああ、こいつ、2009年にやめれば良かったのに、ではなくて(笑)、2009年にやめなくて良かったって思ってもらえるようなライブにしたいですね。
――楽しみですか。
それができれば、嬉しいと思いますよ。やっぱりライブ前はね…。多分、終わった直後にすごく楽しくなるんじゃないですかね。
ライブ情報
LEO IMAI [LEO今井 岡村夏彦 シゲクニ 白根賢一]
ワンマンライブ「TOKYO LIGHTS 2020」
日時:2020年2月26日(水) 開場 18:30 / 開演 19:30
会場:代官山UNIT
チケット:前売4,000円(税込)
好評発売中
チケット受付方法
ぴあ https://bit.ly/2TrpyJH
e+ https://bit.ly/2tnqx2T
ローソン https://bit.ly/2TsCIGz
(問)ADN STATE 050-3532-5600 (平日12:00-17:00)