LEO今井 × Awesome City Club (atagi / マツザカタクミ) “大都会” スペシャル対談
――それぞれの印象を聞かせてください。まずはLEOさんから。
LEO:
2年くらい前にLEO IMAI BANDの夏彦からAwesome City Club(以下ACC)っていういいバンドがいるって聞いてて。私も自分よりちょっと年下のフレッシュな人たちと対バンしたいなあと思ってたので、音源ではチェックしてたんです。で、去年初めてライブを観た時にすごい印象が変わったんですよ。すごいファットでこんなにもソウル・ミュージックなのかって。音源はわりとクールでアイロニカルで、それはそれでカッコいいんだけど、ライブで観た時に違う一面を感じましたね。ミクスチャー感があって、図太いサウンドだなあと。その時にますます一緒にやりたくなりました。
――自分のバンドでの表現ともシンパシーを感じたり?
LEO:
シンパシーもありつつ、あとバンドのメンバーのキャラクターがいい意味でバラついてるっていうか。ひとりひとりの主張が強くて、すごい目立つ(笑)。LEO IMAI BANDも同じくそういうところがあって、まとめようとしてもなかなかまとまらないっていう。
マツザカ
タクミ:
LEOさんのバンドもかなり濃ゆいですもんね(笑)。
――では、逆にマツザカさんとatagiさんから見たLEOさんの印象は?
atagi:
初めてLEOさんの作品を聴いたのがアルバム『Fix Neon』。めちゃくちゃ衝撃を受けたんですよ。あのアルバムの感じが今だにずっと好きで。
LEO:
ヤバイっすね、それ。珍しい(笑)。
atagi:
ディスクレビューで読んで新譜で買って聴いて、こんな歌い方の人いるんだ!ってびっくりしたんです。ACCの前のバンドではそのLEOさんの世界観を意識した曲を書いたこともあって。だから、リスペクトしてます。
マツザカ:
僕はこの前、METAFIVEのライブを観させてもらったのと、KIMONOSのインストアライブを観たことがあって、ライブでのLEOさんはすごいソリッドな印象がありますね。あと、狙ってるのか天然なのか、熱いのか冷たいのか、冷静と情熱が同居しているようなイメージがありますね。
――LEOさんから声がかかった時はどう感じました?
atagi:
びっくりしました。正直なところネガティブな意味ではなく僕らで大丈夫なの?っていうのもありました。僕の中ではリスペクトの対象であり、同じラインにいる方ではなかったので。だから、純粋にうれしかったですね。
マツザカ:
LEOさん自身にストイックな印象もあったので、こっちも引き締めてやらないとやられてしまうぞとメンバーで話してます(笑)。逆にそういうストイックなLEOさんを好きなファンの方々にACCも観てもらって、僕らのハマる部分を感じてもらえたらいいなと思いますね。
LEO:
絶対ハマる部分ありますよ。私はもう単純に近くでACCをもう一度観たいというのもあり。ACCのライブって『ソウル・トレイン』(70年代からアメリカで放送されていたダンス音楽番組)みたいな雰囲気があるじゃないですか。ああいう、グルーヴィーでハッピーなものって今なかなかないから。爽やかで純粋。ピュア・ダンス・ミュージックっていう感じですよね。
――バンド論みたいなことも聞きたいんですけど、LEOさんはソロアーティストでありつつも、ライブ活動はLEO IMAI BANDとして行うことが多いですよね。今の4人のメンバーの結束力も感じます。
LEO:
結束力はありますね。『MADE FROM NOTHING』というアルバムはほぼ今の4人だけで作り上げたものであるし、それを再現する時にこの4人しか考えられなかった。あと、仲がいいからやりやすいんですよ。変な摩擦がない。
atagi:
僕らはバンドしか経験したことがないから、LEOさんに聞いてみたいんですけど、一緒に音楽を演る人との仲のよさって大事だと思います?
LEO:
私は所謂バンドマンじゃないので、推測でしかないんだけど、最終的にはとにかく仲がいいっていうのがすごく重要な気がするんです。そうじゃないですか?
atagi:
そう思いますよ。ただ、ソロでやってる人っていい意味でもずっと同じ人とやる必要がないじゃないですか、だからあまり仲のよさとか気にならないのかなあと思ったんですけど、そんなこともないんですね。
LEO:
友だちのように仲良しっていうのとも違うんですけど、「一緒に演る人のことを好きであること」が重要っていう。ただ、私はとにかくバンド哲学というのを持っている方ではないので、専門家であるおふたりに詳しく聞きたいですね。
――Awesome City Clubはチームワークがすごくいい。役割分担もしっかりしているイメージですよね。
マツザカ:
僕らも最初はどっちかっていうとバンドというよりプロジェクト的な感じで始まったんです。いわゆる友だちが集まってバンドをやっているという感じではなく、それぞれの個性が集まった集合体という意味で“Club”という風にしたり。ただ、デビューから2年くらい経って、僕らもバンドらしくなってきたなあっていうのはあって、それがもしかしたら今のチームワークのよさにつながっているかもしれないです。無機質なものから、有機的になってきているとは自分たちも思ってて。最初は音源もライブもわりとクールなものものだったんですけど、今はそこにもうちょっと“楽しい”っていう感情だったり、“人間臭さ”みたいなものが付け加えられるようになったかなと。
――今回の対バンのテーマ“大都会”。これはどういったところから付けられたんですか?
LEO:
ぽっと漢字で“大都会”っていうのが思い浮かんだんですよ。自分がやってる音楽の文脈になってるものを表現している言葉であり、さらにACCとGREAT3(4/16”大都会 Vol.2”出演)に関連するようなもの。そう思った時に私にとっては新鮮でノスタルジックでもある“大都会”という言葉を選びました。アノニマス(匿名)だし、東京の無機質さとそれと相反するカオスが表れていると思ってて。
atagi:
そのイメージって、僕がLEOさんの作品からずっと感じてるものとすごく共通してます。きらびやかな面と荒廃している面が同居しているというか。どこのなにとも説明付かないんだけど“大都会”っていうイメージって、ACCにも通じるところがあると思います。
マツザカ:
街って大きくなればなるほど無機質になると思ってて、その反面、夢を持った人がたくさん集まってくるようになる。だから、夢が破れたことを気づかずにある種ゾンビみたいに暮らしてるイメージもあって。きらきらしてるんだけど、寂しさもあるという。ACCをやる上でそういう世界観も意識していたので、“大都会”はまさにピッタリだなと思いました。このテーマを聞いて、ライブで演りたいと思いついた曲もあったりするし。
――それこそLEOさんがACCに歌詞を提供した「ネオンチェイサー」って“大都会”を彷彿とさせますね。
LEO:
確かにそうですね。あれ、ライブで一緒に演りますか?
atagi:
演りたいです。一緒に歌いたいです。
LEO:
面白い衣装とか必要ですか?
マツザカ:
見たいですね(笑)。「ネオンチェイサー」を物語るものを。
LEO:
イメージふくらませておきます(笑)。
――ますます対バンが楽しみです。
atagi:
僕の勝手なイメージなんですけど、LEOさんてライブ中でも音楽に没頭できる人なんじゃないかなと思ってるんですよ。それって実はなかなか難しいことなんですけど、僕はそれがライブの理想のカタチだと思うんです。演者の音楽への集中がどんどん高まっているのをお客さんが感じ取って熱気が高まっていくっていうのが醍醐味であると。いちファンとしてそれを目撃したいし、僕らも同じように会場をひとつにしたいと思ってます。だから、まっすぐ勝負しにいきたいです。
――まさかの宣戦布告(笑)。
LEO:
いや、もうさすがです。参りました(笑)。とにかく楽しみです。
LEO今井自主企画ツーマンイベント
「大都会」 Vol.1 Power Rangers Funk
LEO IMAI x Awesome City Club
日時:2017年3月2日(木) OPEN 19:00 / START 19:30
会場:新代田FEVER
料金:前売 ¥3,800 / 当日¥4,300 (共にドリンク代別)
チケット受付方法
e+ http://eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002208940P0030001
LAWSON [Lコード:75804]
ぴあ [Pコード:316-269]
FEVER店頭
interview by 小林“こばーん”朋寛